耳をいただいた方々。よにんめ「mitu」さん:ローグ
はじめて、自分よりレベルが高い人を誘ってみた。
と言っても、たったひとつだけど。
ぼくは自信がなかった。前半はビンボーで装備もととのえられず、本も読
めず、出遅れた感があったからだ。
「mitu」さんは、オンナのコのわりにぼくより体力あるし、誤射された弓
は痛かった。チャンスをさがしていたが見つからず、ぼくはやきもきした。
もちろん、まともに向かっても勝ち目がないので、とてもジェントリーにプ
レイしていたけど。
でも、ふと気がついたら、地下6Fくらいで、赤いエネルギー弾を連射す
るウマに殺されてんの、彼女。
ぼくは、一度タウンに戻ってポーションを買いこんでウマを掃討すると、
彼女にリザレクトをかけてあげて、即殺。
無言でディスプレイを見ているであろう彼女にむかって、彼女の耳を投げ
たり拾ったりして、シンとしずまりかえった洞窟に、ベチョブチョと耳が叩
きつけられるサウンドをひびかせ、彼女の死体のまわりをグルグルまわりな
がら剣をふりまわしてワイクーを踊りまくったりした。
たぶん、MAXやSPEEDにも負けないソウルフルなダンシングだった
ろう、Body&Soul!
さっきまで「はじめて人を殺して動揺した」だの「アイテムの強奪のしか
たがわからない」だの言っていた人間の行動とは思えないな、我ながら。
いや、ホントにヒデー奴だ俺。
ほとんどベーシックアイテムで身をかためていたぼくにとって、彼女の体
力+30のレザーアーマーはおいしかった。彼女のアイテムは残らずショッ
プで換金した。
777で5箱つんで換金所に言った時よりもうれしかった。
つづく
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