第4話 「導かれし者」


  耳をいただいた方々。よにんめ「mitu」さん:ローグ



 はじめて、自分よりレベルが高い人を誘ってみた。 

 と言っても、たったひとつだけど。 

 ぼくは自信がなかった。前半はビンボーで装備もととのえられず、本も読

めず、出遅れた感があったからだ。 

 「mitu」さんは、オンナのコのわりにぼくより体力あるし、誤射された弓

は痛かった。チャンスをさがしていたが見つからず、ぼくはやきもきした。

もちろん、まともに向かっても勝ち目がないので、とてもジェントリーにプ

レイしていたけど。

 でも、ふと気がついたら、地下6Fくらいで、赤いエネルギー弾を連射す

るウマに殺されてんの、彼女。 

 ぼくは、一度タウンに戻ってポーションを買いこんでウマを掃討すると、

彼女にリザレクトをかけてあげて、即殺。 

 無言でディスプレイを見ているであろう彼女にむかって、彼女の耳を投げ

たり拾ったりして、シンとしずまりかえった洞窟に、ベチョブチョと耳が叩

きつけられるサウンドをひびかせ、彼女の死体のまわりをグルグルまわりな

がら剣をふりまわしてワイクーを踊りまくったりした。 

 たぶん、MAXやSPEEDにも負けないソウルフルなダンシングだった

ろう、Body&Soul! 

 さっきまで「はじめて人を殺して動揺した」だの「アイテムの強奪のしか 

たがわからない」だの言っていた人間の行動とは思えないな、我ながら。 

 いや、ホントにヒデー奴だ俺。 

 ほとんどベーシックアイテムで身をかためていたぼくにとって、彼女の体

力+30のレザーアーマーはおいしかった。彼女のアイテムは残らずショッ

プで換金した。

 777で5箱つんで換金所に言った時よりもうれしかった。 



 つづく 


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