耳をいただいた方々。ごにんめ「mena」さん:ローグ
ぼくよりひとつレベルが高かったひとを誘ってみた。
彼女は、はなしかたも丁寧かつ親切で、「少ししかいっしょに冒険できな
いけど」と応じてくれた。
もう、ホント親切かつ、いい人だった。以下、会話を要約。
Mena :「アーマークラスはいくつ?」
G(ぼく):「**です」(←サバ読んで少なく報告)
Mena :「わたしの弓は当たるといたいから気をつけて」
G :「ぼく、レベルは**だけど、いいアイテムに恵まれなくて、弱
いんです。リングとか持ってないし」
Mena :「お金は?」
G :「PKされて、みぐるみはがされて...」
と、まあ、我ながら、よくも嘘を並べたな。感心するぜ。
実は、前回のローグ「Mitu」さんをレイプしてたもんで、装備はかな
り強化されてたし、フトコロもほっかほか。PKされたどころか、テメーが
やってんだよ。
しかし彼女は、ぼくをフビンに思ったらしく、出るゴールドやアイテムは
片っぱしから、ぼくにくれ、祭壇も使わせてくれた。「祭壇は危険なものも
あるから気をつけて」と教えてくれた。実は「Tamon's Diablo Page」の祭
壇の効果一覧表は、しっかり読んでるし、武器やスペルや特殊効果の一覧表
もプリントアウトして手元にあるだけどね。
そして戦う時は、つねにぼくの前に出て、かばってくれて、「きみは前に
出すぎ」などとアドバイスしてくれた。
イエッサーッ! 女教官殿!! ぼくはあなたのケツを追い回すストーカー
となりマス。
彼女は、初心者をフォローする戦い方もうまく、ぼくは、どんどん力を蓄
えた。彼女は、弓がすり切れるまで、ぼくのために戦ってくれる。彼女の弓
のDURが1になったそうで、町に戻った。
プレイはうまいし、圧倒的に僕よりつよいし、アイテムを識別して「これ
をつかうといいよ」と渡してくれた。それより、いい剣もってたんだけど、
彼女にわるいので装備したり。
さすがにこの人は殺せないな、もう、いたれりつくせりだし。と、思って
ふたたびダンジョンに戻った時に、またもや赤い光弾を連射するウマ野郎と
弓矢スケルトン20体ほど。画面が重くなるほど矢がとびかう中、ぼくは、
「FAST BLOCK」のシールドなんかがあるため、それほどダメージ
は負わなかった。だけど彼女は、まるでぼくを守る盾となり、自ら血路を開
こうとするのか、突撃をくりかえした。
彼女の体にカーソルをあわせると、体力が10%を切る時すらあった。
ぼくは、まちがえてヒールアザーを使いそうになったけど、冷静に、パー
ティーアタックをONにして、乱戦にまぎれて彼女に一撃入れた。
しかし、彼女はやはり強い。ぎりぎりのところで体力全快。
Mena:「ごめん」
突然、彼女があやまった。どうやら、ぼくを守りきれないこと、敵の小ボ
スを始末できないことをわびているようだった。ぼくの裏切りなんかに、ま
るで気づかず、ふたたび突撃・・・そして、絶命。
なんと、即座に再スタートし、ぼくをフォローするために、ポータルも使
わずに(ぼくはもっているけど使わない)かけつけてきた(とのメッセージ
が送られてきた)。
ぼくは得意の盾をたよりに弓兵を片づけ、強力な彼女のアイテムを回収し、
駆けつけてきた全裸の彼女を斬殺。
「それはないでしょ・・・」
それが彼女の最後のセリフだった。
ぼくが盗んだのは大量のアイテムでもゴールドでもなく、彼女の「まごこ
ろ」ではなかったか・・・
つづく
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